
乳がんとは?特徴的な症状とセルフチェックの方法を解説
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乳がん
乳がんは乳房のしこりなどを伴う乳腺にできる悪性腫瘍です。
本記事では、乳がんとはどういった病気なのか、症状や原因、治療法を解説します。
乳がんとは乳腺にできる悪性腫瘍のこと
乳がんは乳房の乳腺にできる悪性腫瘍です。
がんは進行度によって0からIVの5段階のステージに分類されます。乳がんは、発生した臓器にとどまっている状態のステージIだと5年生存率が9割です。
乳房のわき側上部やわきの下にできる乳がんが、乳がん全体の約50%を占めます。また、乳がんは女性の9人に1人がかかり、国立がん研究センターのデータでは、2023年の乳がんの年間死亡者数は合計15,763人(男性134人、女性15,629人)と報告されています。
関連記事:乳がんの死亡率は低いって本当?早期発見・早期治療がカギ
乳がんの特徴的な症状
乳がんの特徴的な症状は、以下の3つが挙げられます。
- 乳房にしこりやくぼみが生じることがある
- 乳頭の変形やただれが生じることがある
- 乳房の痛みは感じないことが多い
乳房にしこりやくぼみが生じることがある
乳がんの代表的な初期症状は乳房のしこりです。乳房やわきの下にしこりがみられる場合は、乳がんかどうか確かめるために、医療機関の受診が推奨されます。
ただし、乳房にしこりができた場合、必ずしも乳がんとは限りません。乳腺症をはじめ他の原因でしこりができるケースもあります。
また、乳がんが皮膚の下に広がって、乳房の皮膚がくぼむ場合もあるため、しこりだけでなくくぼみにも注意しましょう。
関連記事:胸のしこりは乳がん以外も原因!良性と悪性の違いや痛くない場合について
乳頭の変形やただれが生じることがある
乳がんでは、乳頭の変形やただれが生じることがあります。これらの症状がみられた場合も乳がんの検査を受けましょう。
また、分泌液が乳頭から出る場合もあります。乳頭から赤色や茶色の分泌液が出る場合や粘り気のある液体が出る場合も乳がんが疑われるため、検査が必要です。
乳頭の変形やただれ、分泌液など乳房の変化に気付けるよう、普段から自身の乳房の形状や状態を確認する意識が大切です。
乳房の痛みは感じないことが多い
乳がんでは、乳房の痛みを感じないケースが多いです。しこりや乳房・乳頭の異変が見られない状態で乳房に痛みを感じる場合は、乳がんではなく乳腺症が原因の可能性があります。
ただし、乳がんの中には乳房に痛みを伴うこともあるため、乳房に違和感や異変がみられた際は、乳がん検診や医療機関の受診をおすすめします。
関連記事:乳房が痛いのはなぜ?痛みの原因や乳がんの可能性について解説
乳がんの原因は遺伝要因と環境要因
乳がんの原因は、遺伝要因と環境要因の2つが関係するとされています。
遺伝要因は遺伝子変異によって乳がんになりやすい生まれつきの体質で、遺伝性の乳がんは乳がん全体の5%から10%を占めます。
一方、環境要因には生活習慣やホルモンバランスの変化が影響します。
生活習慣としては、喫煙や飲酒などが乳がんリスクを高める要因です。
また、乳がんの発症にはエストロゲン※の関与が知られています。経口避妊薬の服用や閉経後の女性ホルモン補充療法など女性ホルモンの治療を受けることも環境要因として、乳がんのリスクを高める場合があります。
※エストロゲンとは、卵巣で分泌される女性ホルモンの一つであり、乳腺の発達や生理周期、生殖機能などに関与
乳がんの治療法
乳がんの治療法は次の3つです。
- 手術による乳房やリンパ節の切除
- 放射線治療
- 抗がん剤やホルモン療法などの薬物療法
各治療法の詳細を説明します。
手術による乳房やリンパ節の切除
乳がんの治療では、手術で乳房やリンパ節の切除を行います。がんを含む乳房の一部を切除する場合や、乳房全体を切除する場合があります。乳がんが広範囲に見られる場合や部分切除が難しい場合は、乳房全体の切除が適応です。
また、手術と薬物療法を組み合わせる際、手術をどのタイミングで行うかは、乳がんの性質にあわせて判断する必要があります。手術の内容や治療の流れは、医師と相談しながら決定しましょう。
放射線治療
乳がんは放射線治療を行う場合もあります。放射線でがん細胞にダメージを与えて、増殖を抑えます。
放射線治療は手術の補助的な治療や、術後の再発や転移した病巣への治療として活用される治療法です。
抗がん剤やホルモン療法などの薬物療法
抗がん剤やホルモン剤などを用いた薬物療法も乳がんの治療法の1つです。薬物療法は、薬でがん細胞の増殖を抑え、手術でがんを取り除きやすくするほか、術後の転移や再発を防止する目的でも利用されます。
広く知られている抗がん剤や、がん細胞の増殖や転移に関連する分子をターゲットとした「分子標的治療剤」、女性ホルモンのエストロゲンの働きを抑える「ホルモン剤」など複数の薬剤が活用されます。
乳がんの薬物治療では、目的や使用時期に応じて適切な薬剤を選択し、乳がんを治療します。
乳がんの検査方法
乳がんの検査方法には、次の4つがあります。
- 視診と触診
- マンモグラフィ
- 超音波検査
- 病理検査
それぞれの検査方法の詳細や調べられる事柄を説明します。
視診と触診は形・大きさ・硬さを確認する
乳がんの視診では、医師が乳房の形状を確認し、左右差や乳頭の変形の有無、乳頭からの分泌物の有無をチェックします。触診ではしこりの有無を確認し、しこりがあった場合は大きさや硬さなどを調べ、乳がんの可能性を探ります。
マンモグラフィは乳腺の微細な石灰化を発見できる
マンモグラフィは、乳房専用のX線検査で、乳腺の石灰化を調べられます。
石灰化とは、乳がん全体の2~3割で見られ、乳管が拡張して分泌液が貯まることで生じます。
また、マンモグラフィでは、視診や触診では発見が難しい微細な異変を発見可能です。
マンモグラフィは乳腺自体も白く映るため、乳腺の密度が高い高濃度乳房(乳腺の多さは個人差があり、特に若年層や授乳経験のない人に多い)の方はマンモグラフィでは病変を発見しにくいケースがあります。
超音波検査は乳房や周辺のリンパ節へのがんの転移を調べる
超音波検査、あるいはエコー検査は乳房や周辺のリンパ節への乳がんの転移を調べる際に用いられます。超音波検査では乳がんは黒く映り、乳腺は白く映るため、マンモグラフィでは病変を見つけられなかった高濃度乳房の方の乳がん発見に超音波検査が役立つ場合があります。
さらに超音波検査はX線による被曝のリスクがなく、妊娠中でも受けられる検査です。
病理検査はがんの有無を調べる
病理検査は乳房の細胞や組織を採取して、がんの有無やがんの性質を調べる検査です。
細胞診は注射器で細胞を採取し、顕微鏡でがんについて調べます。組織診では局所麻酔を行なったうえで、一般的な注射器よりも太い針を用いて組織を採取して検査を行います。
病理検査はがんの有無を判断するだけでなく、がんの性質を詳細に調べ、最適な治療法を選ぶ際にも役立つ検査です。
乳がんのセルフチェック方法
乳がんのセルフチェック方法は次のとおりです。
- 片腕を上げて反対の手で「の」の字を描くように乳房を撫でるように触る
- 寝転んだ状態で片腕を上げて乳房を指で推して異変がないか確認する
- わきの下に指を入れてしこりやリンパ節の腫れがないかチェックする
乳がんかどうかセルフチェックする際、乳房の形や変化を意識する生活習慣「ブレスト・アウェアネス」を取り入れることが大切です。乳房や乳頭に異変がないか、日々乳房の状態をチェックする習慣を取り入れましょう。
ただし、セルフチェックでは乳がんかどうかの判断が難しい場合もあります。
その際、自宅で手軽に乳がんの有無を調べられるスキャンテストの利用がおすすめです。ミルテルの「スキャンテスト乳がんハイリスクサポート+」は、唾液を採取するだけで手軽に乳がんか調べられる検査なので、ぜひ利用を検討してみてください。
乳がんは早期発見が重要
乳がんは乳房の乳腺にできる悪性腫瘍です。早い段階で発見できれば5年生存率が9割を超えるため、乳がんは早期発見と早期治療が大切です。
乳がんは痛みを感じないケースが多く、しこりや乳頭の変形などの特徴的な症状がみられます。普段の生活で乳房の異変がないかチェックする「ブレスト・アウェアネス」を取り入れ、乳房の形や変化を意識すると早期発見につながりやすいです。
しかし、セルフチェックでは乳がんを正確に判断できるとは限りません。そこで、自宅で手軽に乳がんのリスクを調べられるミルテルの「スキャンテスト乳がんハイリスクサポート+」がおすすめです。
唾液を採取するだけで乳がんのリスクをチェックできるうえに、もし検査で乳がんリスクが高い結果が出た場合、医療機関での検査費用をサポートしています。セルフチェックや「スキャンテスト乳がんハイリスクサポート+」を活用して、乳がんリスクを定期的に調べ、乳がんの早期発見・早期治療を目指しましょう。