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がん家系の特徴とは?遺伝以外の発症原因・リスクを調べる検査方法を解説

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家族や親戚にがんを患った人が多いと、「自分もいずれがんになってしまうのではないか」と心配になる方も多いのではないでしょうか。

本記事では、がん家系の特徴やがんの原因、遺伝しやすいがんの特徴、がん家系のリスクをチェックする方法をご紹介します。

監修者:青木優美の写真

監修者

青木優美クリニック 院長
青木優美

監修:医療法人Fuvenant 青木優美クリニック
院長 青木優美先生
1989年久留米大学医学部を卒業し、その後、久留米大学病院放射線科、
博慈会記念総合病院内科、済生会大牟田病院胃腸科等の勤務を経て、
2007年医療法人聖療会 青木胃腸科・内科 副院長に就任、
2017年医療法人聖療会の理事長に就任し、2022年より医療法人Fuvenant
青木優美クリニック院長となり現在に至る。

青木優美クリニック 院長

監修者:青木優美の写真

監修者

青木優美

監修:医療法人Fuvenant 青木優美クリニック
院長 青木優美先生
1989年久留米大学医学部を卒業し、その後、久留米大学病院放射線科、
博慈会記念総合病院内科、済生会大牟田病院胃腸科等の勤務を経て、
2007年医療法人聖療会 青木胃腸科・内科 副院長に就任、
2017年医療法人聖療会の理事長に就任し、2022年より医療法人Fuvenant
青木優美クリニック院長となり現在に至る。

がん家系に共通する2つの特徴は?遺伝と発症年齢を確認

がん家系とは、遺伝的にがんを発症しやすい傾向をもつ家系を指します。

とくに、以下に当てはまる方は注意が必要です。

  • 血縁者にがんを発症した人が多い
  • 若い年齢でがんを発症している人がいる

それぞれ確認していきましょう。

血縁者にがんを発症した人が多い

親や祖父母、兄弟姉妹などの血縁者に、同じ種類のがんを発症した人が複数いると、がん家系の可能性が考えられます。なかでも、以下に挙げるような特徴があると、リスクが高まるとされています。

  • 異なる臓器や同じ臓器に、何度もがんができた
  • 乳房や腎臓などのペアになっている臓器の両方にがんができた

ご家族にがんを経験した方がいる場合は、上記の特徴に当てはまらないか確認してみましょう。

若い年齢でがんを発症している人がいる

通常よりも若い年齢でがんを発症した家族がいる人も、がん家系である可能性があります。

たとえば、以下のようながんが挙げられます。

  • 50歳未満の大腸がん
  • 45歳未満の乳がん
  • 10〜20歳までに発症したがん

若い年齢での発症は遺伝的な背景が疑われるケースがあるため、注意が必要です。

がんの発症は遺伝だけではない!がんを引き起こす代表的な3つの原因を解説

がんの発症には、遺伝だけでなく、さまざまな後天的要因が関係しているケースがあります。

がんとの関連性が指摘されている代表的な要因は以下のとおりです。

  • 生まれ持った遺伝子の違い
  • 食生活や喫煙などの生活習慣
  • 生活環境や職業歴などの環境要因

一つずつ見ていきましょう。

がんは遺伝しないが、遺伝子がリスクになることはある

がんは遺伝すると考えられがちですが、正確にはがんになりやすい体質が親から子に受け継がれる場合があります。

生まれつき持っている遺伝子のタイプにより、がんを発症しやすくなることがありますが、がんそのものが伝わるとは限りません。また、がんの原因となる遺伝子の変化が起きても、子どもにそのまま引き継がれるわけではありません。

多くのがんは、食事や喫煙などの生活習慣や環境の影響によって起こるといわれています。

食生活や喫煙などの生活習慣は、がんのリスクを高める

生活習慣は、がんの発症リスクを左右することが報告されています。

生活習慣が関連して、発症リスクが高まるとされる主な種類のがんをまとめました。

生活習慣

起こりうるがん

喫煙

肺がん、咽頭がん

過度な飲酒

食道がん、肝臓がん

食生活

塩分の多い食事

胃がん

熱い飲食物

食道がん

乱れた生活習慣は、がんの一因となるため注意が必要です。

生活環境や職業歴などの環境要因によって、がんを発症しやすくなるケースもある

生活環境や職業上の要因によって、がんになる危険性が高まるケースもあります。代表的な要因は以下のとおりです。

リスク因子

発症リスクが高まるがん

石綿(アスベスト)

肺がん、悪性中皮腫

紫外線

皮膚がん

ヘリコバクター・ピロリ(ピロリ菌)

胃がん

上記のリスク因子に長期的にさらされると、がんを発症する可能性が高まります。

当てはまる方は、定期的な検査を受け、予防に努めることが重要です。

関連記事:乳がん予防には何をすればいい?原因やリスク因子、予防方法を解説

乳がんや大腸がんなど遺伝的リスクが関与する場合もある!遺伝しやすいがんの種類を一覧で紹介

がんの一部には、遺伝子の変化が関与する遺伝性のがんも存在します。代表的ながんを以下にまとめました。

遺伝リスクの高いがん

特徴

遺伝性乳がん卵巣がん(HBOC)

乳がんと卵巣がんになる恐れがある

リンチ症候群

大腸がんや子宮体がんになる可能性がある

大腸がん(家族性大腸腺腫症)

大腸に100個以上のポリープができる

家族性大腸腺腫症で発生する大腸のポリープは良性ですが、がんに変化する恐れがあり、高い確率で大腸がんになることがわかっています。

血縁者に上記の特徴に当てはまる人がいると、遺伝的な影響を受けるかもしれません。気になる方は、一度専門医に相談してみましょう。

がん家系かもしれないと不安になったときの対策

がん家系かもしれないと心配になったときは、以下のような対策が役立ちます。

  • 生活習慣を見直す
  • 定期的にがん検診を受ける
  • 遺伝学的検査を受ける

生活習慣を見直す

生活習慣の見直しは、がんの予防の基本です。

国立がん研究センターの研究班によると、科学的根拠に基づいたがんの予防法として以下の方法が紹介されています。

  • 禁煙
  • 節度のある飲酒
  • 栄養バランスの良い食事
  • 適度な運動
  • 適正体重の維持(BMI(※1):男性で21~27、女性で21~25)

健康食品や特定の食材に頼るのではなく、栄養バランスの取れた食事を心がけることが重要です。

※1:BMI:体格の指標に用いられる指数。[体重(kg)]÷[身長(m)の二乗]で求められる。計算例)体重60kg、身長170cmの場合 60kg÷1.7m×1.7m=20.76

関連記事:腸内フローラの正体は?理想のバランス、免疫やメンタルに影響する役割についても解説

定期的にがん検診を受ける

がんの早期発見や早期治療には、定期的ながん検診が重要です。

以下のがん検診は、国が推奨しています。

がん検診の内容

対象年齢

胃がん

50歳以上

大腸がん

40歳以上

肺がん

40歳以上

乳がん

40歳以上

子宮頸がん

20歳以上

検診の効果は科学的に証明されているため、該当する年齢の方は、定期的な受診を心がけましょう。

関連記事:乳がん検査はいつから受ける?検査の流れや種類、検査方法などをわかりやすく解説

血液分析による遺伝子の変異をチェックする(遺伝学的検査)

遺伝学的検査は、がんの発生リスクを高める遺伝子の変化がないかチェックする検査です。

検査は採血でおこなわれることが多く、結果はがん治療における薬剤や手術方式の選択、今後の健康管理などに活用されるケースもあります。

検査費用は、医療機関によって異なりますが、遺伝性乳がんにおける初回の遺伝カウンセリングでは検査費用を含めて約65,000円です。

条件を満たせば保険診療で受けられるため、気になる方は医療機関に相談してみてください。

乳がんリスクは唾液成分からチェックできる

唾液を用いた乳がんリスクを評価できるサービス「スキャンテストも登場しています。

唾液に含まれる「ポリアミン」という成分を検出し評価します。

※スキャンテストはがんを診断するものではなく、リスク評価(スクリーニング)を目的とした検査です。結果にかかわらず、気になる症状がある場合は医療機関での受診が必要です。

費用は1回につき14,300円(税込)で、医療機関を受診せずにチェックできるため、通院が難しい方や、さまざまな事情により時間がとれない方にも利用しやすいサービスです。

ミルテルの「スキャンテスト乳がんハイリスクサポート+」では、検査によって乳がんリスクが高いことが判明すると、医療機関での検査費用の補助が受けられることもあります。

ミルテルのLINE公式サイトから検査キットを購入して、自宅に届いたキットで唾液を採って、ポストに投函するだけ。検査結果は、約1ヶ月でLINEに届きます。

病院の予約も、移動時間も、待ち時間も必要ありません。痛みもないので、検査が怖いと感じている方でも安心して試すことが可能です。

再発チェックや治療後のモニタリングとしては活用できませんが、近親者に乳がんを発症した方がいる方や、自分の身体の状況が気になる方には取り組みやすい検査です。

乳がんのリスクが気になる方にとっては、自宅でできる選択肢の一つとして活用できます。