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胸のしこりは乳がん以外も原因!良性と悪性の違いや痛くない場合について

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乳がん

胸のしこりが生じていても、必ずしも乳がんであるとは限りません。

胸にできたしこりの原因はさまざまであり、乳がんだけでなく、乳腺症や良性腫瘍などの可能性もあります。

本記事では、胸のしこりの原因や、乳がんが疑われる症状などについて解説します。

監修者:青木優美の写真

監修者

青木優美クリニック 院長
青木優美

監修:医療法人Fuvenant 青木優美クリニック
院長 青木優美先生
1989年久留米大学医学部を卒業し、その後、久留米大学病院放射線科、
博慈会記念総合病院内科、済生会大牟田病院胃腸科等の勤務を経て、
2007年医療法人聖療会 青木胃腸科・内科 副院長に就任、
2017年医療法人聖療会の理事長に就任し、2022年より医療法人Fuvenant
青木優美クリニック院長となり現在に至る。

青木優美クリニック 院長

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監修者

青木優美

監修:医療法人Fuvenant 青木優美クリニック
院長 青木優美先生
1989年久留米大学医学部を卒業し、その後、久留米大学病院放射線科、
博慈会記念総合病院内科、済生会大牟田病院胃腸科等の勤務を経て、
2007年医療法人聖療会 青木胃腸科・内科 副院長に就任、
2017年医療法人聖療会の理事長に就任し、2022年より医療法人Fuvenant
青木優美クリニック院長となり現在に至る。

胸のしこりの原因はがんや炎症などの可能性あり

胸のしこりの原因はがんや炎症などの可能性あり

乳がんの特徴のひとつとして、胸のしこりが知られています。

胸のしこりがあると乳がんを心配される方がいらっしゃるかもしれません。しかし、胸のしこりは、乳がんとは関係のない良性の病変であるケースもあります。

このため、しこりが確認できても、それだけで乳がんと結論付けることはできません。

次から胸にしこりができる原因として考えられる病気について見ていきましょう。

乳がん:良性と悪性のしこりがある

乳がんは乳房内の組織で発生する悪性の腫瘍のことです。

胸にできるしこりには良性と悪性があり、悪性腫瘍である乳がんが原因でできるしこりは、一般的には下記のような特徴があります。

  • かたい
  • 触っても動かない
  • 痛みはない

ただし、これらの条件に当てはまっても、必ずしも乳がんとは限りません。

診断には、マンモグラフィーや超音波検査、生検などの詳しい検査が必要です。何か気になる症状がみられる場合は、速やかに医療機関で診察を受けましょう。

関連記事:乳がんとは?特徴的な症状とセルフチェックの方法を解説

乳腺炎:痛みや発熱を伴う

乳腺炎は、乳汁のうっ滞や細菌感染が原因で起こる炎症です。とくに授乳中に多い病気です。

症状として下記が挙げられます。

  • 腫れ
  • 赤み
  • 痛み
  • しこり
  • 膿(うみ) など

授乳中は、母乳が乳管に詰まりやすく、「乳瘤(にゅうりゅう)」と呼ばれるしこりが生じることがあります。

乳瘤を放置すると、炎症が悪化してしまうため、早めに病院で診てもらうことが大切です。

乳腺症:ホルモンバランスの乱れが原因

乳腺症とは、ホルモンバランスの乱れなどが原因で起こる、乳腺のトラブルや何らかの変化に関する総称です。

とくに35〜40歳の女性に多く見られる傾向にあります。嚢胞(のうほう)※1、乳管内乳頭腫※2、石灰化※3などが発生し、乳腺の一部に集まり、それがしこりとなるのが一般的です。
それぞれの症状は下記の通りです。

※1嚢胞:乳腺内に水分がたまって袋状になる
※2乳管内乳頭腫:乳管の中に生じる良性ポリープのような腫瘍
※3石灰化:カルシウムが沈着してできる

しこり以外にも、乳房の一部分に硬さを感じたり、痛みが出たりする症状も見られます。

乳管内乳頭腫:良性の腫瘍である

乳管内乳頭腫は、乳管内に発生する良性の腫瘍です。

原因ははっきり解明されていませんが、卵巣ホルモンが関与していると考えられています。主な症状として、黒色・茶褐色・赤い分泌物が見られます。

基本的には良性の疾患ですが、将来的に乳がんにつながるリスクがあるため注意が必要です。定期的な検診を受け、変化がないか確認を推奨します。

胸のしこりとあわせて確認すべきチェックポイント!痛み・張り・サイズの変化に注意

胸にしこりが確認できる場合、下記のような変化や症状もないかチェックしてみましょう。

  • 胸のしこりを押すと痛い
  • 乳房全体が張っている
  • 乳頭から分泌物が出ている
  • 急に乳房が大きくなる

これらの項目について次から見ていきましょう。

胸のしこりを押すと痛い:20代から更年期までさまざまな疾患の可能性がある

胸のしこりを押して痛みがあるかを確認してみましょう。

痛みがある場合は良性・悪性のどちらかの可能性があります。一方で、痛みがなくても乳がんである可能性は否定できず、「痛みがないから良性」とは必ずしも言えません。

乳がんは一般的に痛みを伴わないことが多いため、自己判断せず、しこりを感じたら早めに医療機関で検査を受けることが重要です。

乳房全体が張っている:乳腺炎や乳腺症の可能性がある

乳房全体の張りについてもチェックをしてみましょう。

月経前の胸の張りはホルモンの変化によるもので、多くの女性に見られる一般的な症状です。しかし、乳腺炎が原因で乳房全体が張ることもあります。

とくに痛みやしこり、分泌物が認められる場合には注意が必要です。

症状が続く場合や違和感がある場合は、早めに病院を受診しましょう。

乳頭から分泌物が出ている:乳頭腫や感染症の可能性がある

乳頭から分泌物が出ていないか、チェックしてみましょう。乳頭からの分泌物は下記が原因の場合があります。

  • 乳管内乳頭腫
  • 乳管の拡張
  • 感染症
  • 嚢胞 など

正常な分泌物は、白色や透明のさらさらの液体ですが、血が混じったものは異常であるサインです。

また、皮膚のくぼみ・腫れ・乳頭の陥没がある場合は注意が必要です。とくにしこりがあり、分泌物が出ている場合は、自己判断せずに早めに医療機関で診察を受けましょう。

急に片方の乳房が大きくなる:乳がんの可能性がある

乳房の左右の大きさには個人差があるものの、片方の乳房が急に大きくなる場合は何か異常が起きているサインかもしれません。

たとえば、乳がんが進行し、しこりが大きくなると、結果的に乳房全体が腫れることがあります。また、乳房の炎症による腫れが原因で、一時的に乳房が大きくなることもあります。

乳がんの症状は大きく3つ「感触の変化」や「乳房のトラブル」など

乳がんの診断には、医療機関での精密検査が不可欠ですが、乳房の感触や外見に変化が見られるなど、さまざまな特徴が伴います。

次から乳がんに特徴的な症状について見ていきましょう。

痛くない胸のしこりがある

乳がんの代表的な症状のひとつは、「痛みのないかたいしこり」です。

とくに下記の特徴があると、乳がんの可能性が疑われます。

  • かたい
  • 触っても動かない
  • 痛みがない

ただし、乳がんは必ずしも痛みのないしこりであるとは限らないため、自己判断での対応は避けましょう。

乳頭がへこんでいる

乳頭のへこみは、乳がんの兆候のひとつです。

乳がんが進行すると、皮膚の下にがんが浸潤している可能性があります。

血液が混ざった分泌物が出ている

乳頭から血が混じった分泌物が出る場合、乳がんが疑われるため注意が必要です。

とくに片側の乳頭だけ、赤色またはピンク色の分泌物があるケースは、兆候のひとつとされています。

関連記事:乳がんの死亡率は低いって本当?早期発見・早期治療がカギ

「乳がんかもしれない」と思ったら検査を受けよう

胸にしこりが見つかったからといって、それが乳がんとは限りません。自己判断せず、早めに医療機関を受診しましょう。

また、乳がんの早期発見のためには「ブレスト・アウェアネス」も重要です。

【ブレスト・アウェアネス】
ブレスト・アウェアネスとは、乳房の変化に気づく習慣を持つ意識

普段から乳房を触ってチェックする、鏡で観察することで、変化や異常をいち早く発見できる可能性があります。

さらに、医療機関での検診とあわせて、自宅でリスクを確認できる検査を活用する方法もあります。ミルテルの「スキャンテスト乳がんハイリスクサポート+」は唾液を用いて乳がんリスクを評価する検査です。

痛みを伴わず、唾液の採取のみで実施できます。全国800以上の医療機関と提携している検査です。

乳がん検診への第一歩として活用してみてください。