
乳がん検査はいつから受ける?検査の流れや種類、検査方法などをわかりやすく解説
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「検査って、痛いのかな」「もし、何か見つかったらどうしよう」「そもそも、病院に行く時間なんてない…」など、乳がん検査と聞くと様々な不安が頭をよぎるかもしれません。
本記事では、不安や疑問を一つひとつ解消しながら、乳がん検査の基本的な流れや種類や検査方法の選び方を、分かりやすく解説していきます。
乳がん検査は3ステップで実施する
乳がん検査は、基本的に以下3つのステップで進められます。
- 問診:医師が体の状態を把握するための質問をします。
- 視触診:医師が目で見て、手で触れて、乳房やその周りに異常がないかを確認します。
- 画像検査:マンモグラフィや超音波(エコー)を使い、乳房の内部を詳しく調べます。
この3ステップの検査で、疑わしい部分が見つかった場合は、より詳しい「病理学的検査(精密検査)」に進むことがあります。
乳房に痛みやしこりなどの異変を感じる場合、乳がん以外の別の病気のサインかもしれません。いずれにせよ、自己判断せずに専門医に相談し、検査を受けることが大切です。
関連記事:乳房が痛いのはなぜ?痛みの原因や乳がんの可能性について解説
問診|正確な診断のための重要な最初のステップ
診察室に入って、まず行われるのが問診です。リラックスして正直に答えましょう。主に、以下を聞かれます。
項目 |
内容 |
月経について |
初めて月経が来た年齢、周期、最終月経日など |
妊娠・出産歴 |
妊娠や出産の経験の有無、初産の年齢など |
授乳歴 |
母乳で育てた経験があるか |
これまでにかかった病気 |
乳房の病気を含め、過去の病歴について |
家族の病歴(家族歴) |
家族(特に母親や姉妹)に乳がんや卵巣がんになった方がいるか |
現在の乳房の状態 |
しこり、痛み、分泌物など、自覚症状があるか |
これらの情報は、検査方法の選択や診断をする上で重要な手がかりになります。
視触診|医師が乳房や脇の下の状態を丁寧に確認
問診の次に、医師の「視触診」を行います。「視診」では、以下の変化がないかをチェックします。
- 乳房の大きさや形に左右差がないか
- 乳房の皮膚に、ひきつれやただれ、腫れがないか
- 乳頭から血液のような異常な分泌物が出ていないか
続いて触診では、医師が指の腹で乳房やその周りを優しく触れて、しこりの有無や状態などを確認します。
「しこりがある=乳がん」ではありません。過度に心配せず、まずは正確な診断のために、落ち着いて医師の診察を受けましょう。
関連記事:胸のしこりは乳がん以外も原因!良性と悪性の違いや痛くない場合について
画像検査|マンモグラフィや超音波(エコー)検査で乳房の内部を詳細にチェック
問診と視触診が終わったら、乳房の内部を詳しく見る画像検査に進みます。主な検査は「マンモグラフィ」と「超音波(エコー)検査」の2つです。
マンモグラフィとは、乳房専用のX線撮影のことです。透明な板で乳房をグッと挟んで圧迫し、薄く広げることで、乳房内部の状態を鮮明に観察できるようにします。
視診や触診では見つけられないような小さなしこりや、乳がんの早期サインである「石灰化」を見つけるのが得意な検査です。
超音波(エコー)検査は、体に安全な超音波を乳房に当て、反射波を画像に映し出して内部の状態を調べる検査です。
初期段階の小さなしこりも発見しやすいという特徴があります。検査の所要時間は約10分です。
異常があった場合は病理学的検査を受診する
マンモグラフィや超音波(エコー)検査の結果、がんと疑われるような影や石灰化が見つかった場合、「精密検査」を受ける必要があります。この精密検査が「病理学的検査」です。
精密検査には、細い針を刺して細胞を吸い取る「細胞診」と、もう少し太い針やメスで組織の一部を切り取る「組織診(生検)」があります。
マンモグラフィと超音波(エコー)検査では見つけやすい異常の種類や体への負荷が異なる
マンモグラフィと超音波(エコー)検査は、どちらが優れているというものではなく、それぞれに得意なこと、不得意なことがあります。
それぞれの違いは以下の表のとおりです。
比較項目 |
マンモグラフィ(X線検査) |
超音波(エコー)検査 |
見つけやすい異常 |
石灰化(乳がんの初期サイン) |
しこり |
痛み |
圧迫するため痛みを伴うことがある |
なし |
放射線被ばく |
あり(ごく微量) |
なし |
特に推奨される方 |
40代以降の方、乳腺の密度が低い方 |
30代など若い方、高濃度乳房の方、妊娠・授乳中の方 |
ここで、どちらを受けるべきかの目安となるのが「年齢」です。
30代以下は超音波(エコー)検査での乳がん検査がおすすめ
一般的に、40歳未満の女性には、まず超音波(エコー)検査が推奨されることが多いです。その理由は大きく2つあります。
しこりの有無が分かりやすい
超音波(エコー)検査では、乳腺が白く、乳がんのしこりの多くが黒く映ります。そのため、しこりを発見しやすいメリットがあります。
若い世代の乳房は、「高濃度乳房(デンスブレスト)」の場合が多い点が特徴です。これは病気ではなく、乳汁を作る「乳腺」が多い状態を指します。
マンモグラフィでは乳腺組織や、がんの疑いがある石灰化も、どちらも白く写ります。そのため、乳腺の中にできたがんが隠れてしまい、見つけにくいことがあります。
身体への負荷が少なく妊娠中でも検査できる
超音波(エコー)検査は放射線被ばくの心配がなく、痛みを伴わない、身体に負荷の少ない検査方法です。
妊娠の可能性があるもしくは、妊娠中・授乳中の方も安心して受けられる点は、ライフステージの変化が大きい30代・40代の女性にとって大きなメリットと言えるでしょう。
40代以上はマンモグラフィと超音波(エコー)検査の併用がおすすめ
マンモグラフィと超音波(エコー)検査を併用することで、乳がんの早期発見率が上昇するという研究結果があります。
マンモグラフィはがんの疑いがある石灰化を、超音波(エコー)検査はしこりを見つけやすい特徴があるためです。
ただし、40代未満では高濃度乳房によりマンモグラフィで異変が見つかりにくいことがあります。
マンモグラフィを使うなら、女性ホルモンの影響で乳腺の密度が少しずつ低下した40代以上がおすすめです。検診の精度をより高めるためにも、併用検診をしましょう。
乳がんは早期発見が大切!セルフチェックと定期検診をしよう
現在、乳がんは女性がかかるがんの中で最も多く、生涯のうちに9人に1人がかかると言われています。
そして、乳がんによる死亡者数は30代から増え始め、50代以上ではさらに増加します。
しかし乳がんは、いち早く適切な治療を受ければ、5年生存率は90%以上です。だからこそ、「セルフチェック」と「定期的な検診」による「早期発見」が何よりも大切です。
関連記事:乳がんの死亡率は低いって本当?早期発見・早期治療がカギ
セルフチェックでしこりやひきつれがないか確認
まずは、月に1回、セルフチェックを習慣にするのがおすすめです。乳房にしこりやひきつれ、左右差がないかなどを確認します。乳房をつまみ、分泌物がないかも確かめましょう。
セルフチェックを行うタイミングは、乳房の張りが少ない生理が終わってから1週間後くらいが最適です。閉経している方は、毎月「1日」など、覚えやすい日を決めて行いましょう。大切なのは、普段の正常な乳房の状態を知っておくことです。
関連記事:乳がんとは?特徴的な症状とセルフチェックの方法を解説
マンモグラフィや超音波(エコー)検査などの定期的な受診
セルフチェックはとても重要ですが、自分で見つけられない小さながんもあります。
実際、早期の乳がんでは、自覚症状が全くない方がほとんどです。乳がんの罹患率は30代半ばから増加し始め、40代後半から70代にかけてピークを迎えます。そのため、30歳を過ぎたら、一度は乳がん検診を受けるのがおすすめです。
全国の多くの自治体では、40歳以上の女性を対象に、2年に1回のマンモグラフィ検査を公費で受けられる制度を実施しています。自己負担額も無料~1,500円程度と安価に設定されていることが多いので、ぜひ活用しましょう。
関連記事:乳がんは何歳から気をつける?年齢別の罹患率やリスク要因を解説
スキャンテストで乳がんのリスクが手軽にチェックできる
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痛みもないので、検査が怖いと感じている方でも安心して試すことが可能です。
さらに、もし「乳がんリスクが高い」という結果が出た場合に、その後の医療機関での検査費用をサポートしてくれる制度があります。
万が一の時にも、金銭的な不安を軽減しながら、次のステップに進めます。まずは自分のリスクを知ることから、始めてみましょう。