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乳がんは何歳から気をつける?年齢別の罹患率やリスク要因を解説

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乳がん

乳がんは乳房にできる悪性腫瘍のことを指し、女性のがんのなかでも最も罹患数の多いがんです。

乳がんのリスク要因のひとつに「年齢」があります。20代後半から徐々に乳がんの発症リスクが上昇し、30代及び40代での罹患率が最も高いのです。

本記事では、乳がんと年齢の関係について解説します。

監修者:青木優美の写真

監修者

青木優美クリニック 院長
青木優美

監修:医療法人Fuvenant 青木優美クリニック
院長 青木優美先生
1989年久留米大学医学部を卒業し、その後、久留米大学病院放射線科、
博慈会記念総合病院内科、済生会大牟田病院胃腸科等の勤務を経て、
2007年医療法人聖療会 青木胃腸科・内科 副院長に就任、
2017年医療法人聖療会の理事長に就任し、2022年より医療法人Fuvenant
青木優美クリニック院長となり現在に至る。

青木優美クリニック 院長

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監修者

青木優美

監修:医療法人Fuvenant 青木優美クリニック
院長 青木優美先生
1989年久留米大学医学部を卒業し、その後、久留米大学病院放射線科、
博慈会記念総合病院内科、済生会大牟田病院胃腸科等の勤務を経て、
2007年医療法人聖療会 青木胃腸科・内科 副院長に就任、
2017年医療法人聖療会の理事長に就任し、2022年より医療法人Fuvenant
青木優美クリニック院長となり現在に至る。

乳がんの罹患率が高い年齢は?20~60代の年齢別にチェック

乳がんの罹患率が高い年齢は?20~60代の年齢別にチェック

乳がんとは、乳腺に発生する悪性腫瘍のことです。女性が最も多く罹患するがんで、生涯で9人に1人の割合で発症するとされています。

乳がんは10〜20代半ばごろの若年層は罹患率が低い傾向ですが、20代後半からは乳がんの発症リスクが上昇するのです。本項では、下記の年齢別に分けて乳がん罹患率の詳細を解説します。

  • 若年層(20代・30代)の特徴
  • 中年層(40代・50代)の特徴
  • 60代以降の特徴

若年層(20代・30代)の特徴|罹患率は低いがリスクはある

20代・30代の乳がんの罹患率は40代以降よりも低いものの、発症する女性は一定数存在し、リスクはゼロではありません。とくに、遺伝的な要因が関与する乳がんの可能性もあり、若年層であっても注意が必要です。

また、20代後半からは乳がんのリスクがやや上昇し、30代後半からはさらに罹患率の増加が見られます。とくにこの年代は子育てや仕事で多忙な時期であるため、早期発見のためのセルフチェックを習慣化することが重要です。

中年層(40代・50代)の特徴|乳がんのリスクが上昇する

40代・50代は加齢に伴い、乳がんの罹患率が大幅に上昇する年代です。

30代後半から乳がんの発症率が上昇し始める傾向があるため、マンモグラフィーによる乳がん検診が推奨されている年代でもあります。

また、50代においても高い罹患率が続くため、早期発見・治療の重要性がさらに高まります。定期検診を受け、乳がんを早期に発見し、適切な治療につなげることが重要なポイントです。

60代以降の特徴|罹患率がピークを迎える年代である

60代は乳がんの罹患率が最も高い年代です。

65歳以上で発症する乳がんは、進行が比較的ゆるやかな傾向です。しかし、発見時にはすでに進行しているケースも少なくありません。治療の際は患者の健康状態や、すでにある疾患を考慮し、個別の対応をすることが求められます。

乳がん発症の原因は分かっていない|ライフステージとの関係

乳がんの明確な原因はまだ解明されていませんが、一般的に40代以降になると発症リスクが高まることが分かっています。

しかし、若年層でも乳がんを発症する可能性があり、決して無関係ではありません。とくに遺伝的要因や生活習慣が影響する場合もあるため、年齢を問わず乳がんに対する意識をもち、定期的な検診を受けることが重要です。

本項では、以下を解説します。

  • 出産や初潮、閉経との関係
  • 授乳の有無や家族歴との関係

女性のライフステージと、乳がんリスクとの関係性について見ていきましょう。

出産や初潮、閉経の年齢も関係がある

乳がんのリスクは、出産や初潮、閉経の年齢とも関係があります。

とくに下記に当てはまる場合は乳がんのリスクが高まる傾向にあります。

  • 初産年齢が遅い
  • 出産経験がない
  • 初潮が早い
  • 閉経が遅い

これは、乳がんの発生や増殖に関与する「エストロゲン」という性ホルモンが影響しているためです。
エストロゲンとは、卵巣で分泌される女性ホルモンの一つであり、乳腺の発達や生理周期、生殖機能などに関与します。

エストロゲンにさらされる期間が長いほど、乳がんの発症リスクが上昇することが指摘されています。

その他発症リスクを高める要因|授乳の有無や家族歴など

乳がんの発症リスクは、エストロゲン以外の要因からも影響を受けます。

たとえば、授乳経験がない場合、授乳経験がある人と比較して確実にリスクが高まるとされています。また、乳がんの家族歴がある人は、遺伝の影響を受ける可能性があるため、注意が必要です。

さらに、良性の乳腺疾患を経験したことがある人や、閉経後肥満の人もリスクが上昇します。

乳がんはさまざまな要因が複雑に関与して発症すると考えられています。特定の人ではなく、誰もが罹患する可能性があることを理解しておきましょう。

40歳以上の女性は2年に1度は乳がん検診を受けよう

乳がんは早期の治療によって克服できる可能性が高いがんと言われています。乳がんの早期発見のためには、乳がん検診を受けることが欠かせません。

「40歳以上の方は2年に1回の乳がん検診を受けること」を国は推奨しており、検査項目としては、問診およびマンモグラフィーを推奨しています。

そこで、ここでは以下について触れていきます。

  • 乳がんを早期発見するためのブレスト・アウェアネス
  • 病院やクリニックでの「定期検査」
  • 乳がんが不安なときの手軽なリスク検査「スキャンテスト」

乳がんの早期発見につながる3つの方法についてご紹介します。

乳がんの早期発見のための「ブレスト・アウェアネス」

乳がんの早期発見のための「ブレスト・アウェアネス」

ブレスト・アウェアネス(Breast Awareness)とは、自分の乳房の状態を日常的に意識し、変化に気づく習慣を指します。具体的には、次の4つのポイントが重要です。

  • 自分の乳房の状態を知る
  • 乳房の変化に気をつける
  • 変化に気づいたらすぐに医師に相談する
  • 40歳以降は2年に1度乳がん検診を受ける

自己検診が「特定の方法で定期的に行う検診行為」であるのに対し、ブレスト・アウェアネスは生活の一部として自然に乳房の状態を意識する、といった違いがあります。

また、乳がんは早期発見・治療により高い生存率が期待できる病気です。

ステージⅠで発見された場合、10年生存率は90%以上とされており、全体の5年相対生存率は92.3%と比較的高いことがわかっています。

つまり、早期に適切な治療を受ければ、生存する確率が高いことを示しています。そのため、定期的な乳がん検診や日常的な乳房のセルフチェックを行い、早期発見に努めることが重要です。

乳がんの死亡率に関する内容については下記の記事でも解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。

関連記事:乳がんの死亡率は低いって本当?早期発見・早期治療がカギ

病院やクリニックでの「定期検査」

乳がんは目立った変化がなくても2年に1回の検査を受けることが推奨されています。日常的にセルフチェックを行い、異変を感じたらすぐに医療機関を受診することが大切です。

乳がんの検査方法には以下の2種類があります。

検査の種類 内容
マンモグラフィー
(乳房X線検査)
・乳がんの集団検診では基本とされる検査方法
乳房超音波(エコー)検査 ・年齢や乳腺の状態に応じて選択される検査
・マンモグラフィーが推奨されていない30代以下の女性に用いられることが多い

定期的な検診を受けることで、乳がんの早期発見・治療が可能になり、生存率を高めることにつながります。

検診に不安やためらいがある場合の手軽な検査「スキャンテスト」

乳がんは早期発見・早期治療が重要であり、そのためには定期的な乳がん検診が欠かせません。しかし、検診に対して不安やためらいがある場合は、まずミルテルの「スキャンテスト乳がんハイリスクサポート+」を活用するのもひとつの方法です。

スキャンテストは、唾液中の「ポリアミン」という物質を測定し、がんのリスクを評価する検査で、自宅で唾液を採取し、検体を郵送するだけの手軽な方法です。

スキャンテストを通じて、自身のリスクを把握し、適切な検診を受けるきっかけとすることで、乳がんの早期発見につなげられます。
年齢に関わらず乳がんの早期発見を意識しよう
乳がんのリスクは年齢とともに高まりますが、20代であっても乳がんのリスクがゼロではありません。若年層の乳がんは発症率が低いものの、遺伝的要因や生活習慣などが影響し、発症する可能性があります。

だからこそ、定期検診やブレスト・アウェアネスを取り入れることが重要です。日常的に乳房の変化に気を配り、異変があれば医療機関を受診するといった、早期発見・早期治療につなげる意識をもちましょう。